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ウクライナのクリスマス

25/12/25 3:00

12月25日、ウクライナの家にクリスマスは静かに、そして厳かに訪れます。冬の空、ろうそくの光、そしてはるか昔から続く秩序の感覚とともに。

このとき、日常の時間はゆっくりと流れ始め、家の空間は世代から世代へと受け継がれてきた意味で満たされます。クリスマスは、家族、共同体、そして大地の記憶をひとつに結びつける祝祭です。



祝祭の夕べは、空に最初のベツレヘムの星が現れることから始まります。それが、クリスマスの夕食を始める合図です。食卓には断食期間に合わせた精進料理が並びます。クティア、ウズヴァル、穀物や蜂蜜を使った料理は、大地と農耕の伝統と深く結びついています。この夜、人々は祖先を思い起こします。家や畑、そして一族の記憶を受け継いできた人々です。家の中には「ディドゥフ」と呼ばれる穀物の穂束が飾られ、最も尊ばれる神聖な場所に置かれます。ディドゥフは、パン、豊かさ、そして祝祭の間、家にともにある一族の存在を象徴します。この夜、家の主は儀礼の訪問者を待ち、歌と言葉を迎え入れるために家を開きます。



そのために響くのがコリャーダ(キャロル)です。キリストの誕生を讃え、家に祝福をもたらすクリスマスの儀礼歌です。コリャーダ隊は家から家へと歩き、歌をうたい、繁栄と守護の願いを告げます。彼らはしばしば、熊や馬、悪魔、天使など、動物や象徴的な存在に扮します。こうした仮装は、世界の更新や年の移り変わりという境界の時間に結びついており、姿や役割を変えることで、言葉の力を家に届けると考えられてきました。



コリャーダの中でも特別な役割をもつのが「コザ(山羊)」です。若い男性が山羊に扮し、家の中を動き回り、物に触れ、死んで、そしてよみがえります。山羊は生命力と豊穣の象徴です。その動きによって家の空間が「目覚め」、新しい年が実り多く、豊かなものになると信じられています。



今日、ウクライナのクリスマスは戦争のさなかに迎えられています。前線では、兵士たちが家から遠く離れて祝日を迎えます。後方にいる人々は、贈り物や食べ物、手紙、子どもたちの絵を送り、家のぬくもりと気遣いを届けます。兵士たちの存在によって、クリスマスの光はウクライナの家々に守られています。コリャーダが響き、記憶と尊厳が生き続ける限り、ウクライナのクリスマスは続いていきます。

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