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家族 ― 生きる象徴

26/1/14 3:00

本シリーズは、象徴を通してウクライナの精神を最も深く理解するためのエッセイです。
その中でも、最も本質的で重要な象徴のひとつが「家族」です。

ウクライナの伝統において、家族は常に力の源でした。親と子、祖父母と孫が寄り添って暮らし、食卓とパン、そして歌が人々を結びつけてきました。民話の中では、母は守り、父は教え、祖父は知恵を伝えます。家族とは、名誉と愛という価値に支えられた、小さな国家のような存在です。



日本社会においても、長い歴史の中で強い家族の形が育まれてきました。年長者への敬意、世代を超えた絆、技や知識の継承が文化の基盤を形づくってきました。ここには、ウクライナと日本の間に通じる静かな近さがあります。家を大切にする心、祖先への感謝、そして伝統が受け継がれていくという感覚です。



印象的な共通点もあります。ウクライナでは、結婚式で新郎新婦が**ルシニク(rushnyk)**と呼ばれる刺繍入りの儀礼用の布の上に立ちます。それは、共に歩む運命と人生の道を象徴しています。一方、日本の結婚儀礼では、二つの家の調和が重んじられてきました。どちらの文化においても、二つの心の結びつきは、同時に家系の結びつきを意味していたのです。



今日、家族はウクライナの人々にとって特別な力を持っています。戦争という現実の中で、家族は守りとなり、心の支えとなり、耐え抜く力の源となっています。前線に立つ人々は、愛する家族の存在を胸に抱いています。避難を余儀なくされた人々は、故郷と家の記憶を心に留めています。家族は、未来への信頼を与えてくれる象徴であり続けています。



家族を理解することは、ウクライナの精神の深さに触れることでもあります。家族とは、最も困難な時代においても、人々を支え続ける根なのです。

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