
ウクライナの郷土料理 第3部:ザカルパッチャ
26/10/20 12:00
国際理解記事プロジェクト
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ウクライナ各地の料理を巡る旅は続きます。今回ご紹介するのは、カルパティア山脈の南西斜面、ティサ川流域に位置するザカルパッチャです。ポーランド、スロバキア、ハンガリー、ルーマニアとの国境に近いことに加え、長くハンガリー王国の支配下にあり、その後オーストリア=ハンガリー帝国に属した歴史が、この土地ならではの食文化を育んできました。キーウ国家の文化的遺産を受け継ぐこの地では、山間部の牧畜や谷あいの農業に、中央ヨーロッパの料理文化が結びついてきました。ワイン造りやチーズ造りが盛んになり、香り豊かな赤パプリカの粉、ニンニク、森で採れる食材も広く料理に使われるようになりました。
ザカルパッチャのボルシチは、豆やさまざまな燻製肉が入った、とろみのある仕上がりが特徴です。トマトをたっぷり使う一般的なボルシチとは異なり、とろみをつけるための「ピドブィヴカ」に、乾燥させた赤パプリカの粉をたっぷり混ぜて加えます。これが、ボルシチに鮮やかな色と深い香りを与えます。
この地方では、ヴァレーヌィキを「プィロヒー」と呼びます。具にはじゃがいも、ブリンザ(塩気のあるチーズ)、そばの実などを使い、濃厚なサワークリームと、カリカリに炒めた豚の脂身を添えます。これに似た甘い料理が「ホンボヴツィ」です。カッテージチーズまたはじゃがいもを使った柔らかな生地でスモモやアンズを包み、炒ったパン粉と粉砂糖をまぶした団子です。
肉入りのホルブツィ(ロールキャベツ)は一般に大きめですが、ザカルパッチャでは小さく作るのが特徴です。発酵させたキャベツの葉や若いブドウの葉で、ひき肉とトウモロコシの粗びき粉を合わせた具を包みます。トマトを加えない特製のクリームソースで、時間をかけてじっくり煮込みます。
伝統的な飲み物には、干したリンゴ、ナシ、プラムで作る「ウズヴァル」があります。好みでシナモン、クローブ、リンデンの花を加えることもあります。夏にはカルパティアのベリーを使った飲み物のほか、タイムやミントなど香りのよい植物を使ったハーブティーも作られます。
ザカルパッチャでお祝いの席に親しまれている揚げ菓子が「ファンキ」です。名前はドイツ語にルーツを持つハンガリー語の fánk に由来し、油で揚げたドーナツを意味します。柔らかな生地で作り、砂糖を加えずにスモモを長時間煮詰めた濃厚な「レクヴァル」を添えていただきます。
ザカルパッチャの伝統菓子「ファンキ」の作り方
生地: 中力粉500g、温めた牛乳250ml、ドライイースト6〜7g、卵黄3個分、バター50g、砂糖大さじ2、塩ひとつまみ。
フィリング: スモモのレクヴァル150g(または固めのジャム)。
揚げ油・仕上げ: 揚げ油、粉砂糖。
作り方: ドライイースト、温めた牛乳、砂糖少々を混ぜ、暖かい場所に15〜20分置きます。別のボウルで卵黄、柔らかくしたバター、塩、残りの砂糖を混ぜ、発酵したイースト液を加えます。小麦粉を加えて生地をこね、暖かい場所で1時間発酵させます。生地を1個40〜45gの球状に丸め、さらに15〜20分発酵させます。170〜180℃ほどに熱した油で、きつね色になるまで揚げます。少し冷めたら、製菓用の注入器で中にスモモのレクヴァルを詰め、粉砂糖を振りかけます。
スマチノーホ!どうぞ召し上がれ!

