
ウクライナの郷土料理 第2部:ハルィチナ
26/10/17 12:00
国際理解記事プロジェクト
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ウクライナ各地の料理を巡る旅は続きます。今回ご紹介するのは、リヴィウ州、イヴァノ=フランキウシク州、テルノーピリ州に広がるハルィチナです。オピッリャのなだらかな丘陵地からカルパティア山脈まで。この土地の地理的な特徴が、ハルィチナの豊かな食文化を育んできました。この地には、キーウ国家とハルィチナ=ヴォルィーニ国家の歴史が息づいています。14世紀以降、その大部分はポーランド王国の支配下に置かれ、その後はポーランド・リトアニア共和国の一部となりました。1772年からはハプスブルク君主国の統治下に入り、1867年に同君主国がオーストリア=ハンガリー帝国となってからも、その支配が続きました。オーストリア、ポーランド、ユダヤ、ハンガリーの食文化の影響を受け、洗練された焼き菓子とコーヒーを楽しむ都市の文化と、伝統的で豊かな農村の料理が形づくられました。
ハルィチナのボルシチは、自然発酵させたビーツのクヴァスを使うことで生まれる、濃厚なビーツの味わいが特徴です。トマトやパプリカは入れず、その代わりに森で採れるきのこや豆をたっぷり加えます。クリスマスには、きのこを包んだ小さなゆで餃子のような「ヴーシュカ」を熱いボルシチに直接入れてふるまいます。
この土地では、ヴァレーヌィキは大きめに作られ、地元の人たちは「プィロヒー」と呼びます。具にはじゃがいもとチーズ、またはそばの実ときのこを使い、濃厚なきのこソースを添えます。旬のベリーを使った甘いヴァレーヌィキも作られます。
肉入りの「ホルブツィー」(ロールキャベツ)は通常大きめに作られますが、生のじゃがいもをすりおろしたものや、そばの実ときのこを具に使うのも、ハルィチナの特徴です。トマトを加えない特製ソースでじっくり煮込むことで、やわらかく、風味豊かに仕上がります。
伝統的な飲み物「ウズヴァル」は、干したりんご、洋なし、プラムに、シナモン、クローブ、柑橘類の皮を加えて作ります。夏にはカルパティアのハーブやタイム、ミントなど、香りのよい植物を使った飲み物も作られます。
ハルィチナの伝統的な焼き菓子のなかでも、特別な存在が「プリャーツォク」です。名前の由来は、平たいケーキや生地を使った菓子を指すドイツ語の Platz。ポーランド語とチェコ語を経てウクライナ語に入った言葉です。プリャーツォクは色とりどりの層を重ねたものが多く、なかでも有名な「ヴィシュィヴァンカ」は、切り口の模様と色合いがウクライナの刺繍文様を再現していることから、その名が付けられました。
ボルシチに添える伝統的なヴーシュカの作り方
生地: 小麦粉300g、水150ml、植物油大さじ1、塩ひとつまみ。
具: 乾燥ポルチーニ100g(戻してゆでる前の乾燥重量。代わりにエリンギと、戻してゆでた干ししいたけを組み合わせてもよい)、炒めた玉ねぎ1個分、塩、黒こしょう。
作り方: 乾燥きのこはあらかじめ水で戻し、ゆでておきます。生地は弾力が出るまでこね、薄くのばします。きのこを細かく刻み、炒めた玉ねぎと調味料を混ぜて具を作ります。生地を小さな正方形に切って具をのせ、三角形に折り、底辺の両端の角を合わせて留めます。塩を加えた沸騰した湯でゆでます。
スマチノーホ ー どうぞ召し上がれ!

